分子細胞修飾学 斉藤研究室 Molecular and Cellular Modification Saitoh LABORATORY

研究

 研究は研究室における中心的な活動で、研究室に配属されると、この活動に最も時間と労力を費やすことになります。私たちの研究室では、卒業研究(卒研)、修士論文・博士論文の研究、ポスドクの研究へと段階的にレベルが上がっていきます。卒研から修士論文の研究、修士から博士論文の研究は継続が可能ですので、研究室に残ることで、自然と高度なレベルに研究を到達させることができる仕組みになっています。
 卒研のテーマは研究室配属後に相談のうえ決めます。通常、3年生の3月の中旬ごろに決まり、4年生の4月から研究が本格的に始動します。大学院から入学した方の場合は、入学希望の打診のあった段階から研究テーマを相談し、入学後からすぐに研究を開始します。
 斉藤研究室で活動する上で重要なのは、メンバー各自が「独立した研究テーマに基づいて、実験を計画し、データを解析し、発表する」という研究室の方針を理解することです。研究室では、自らが考えて研究を行う上での方法論や論理を構築することが高く評価されます。分子生物学・生化学を基盤として細胞や個体の成り立ちを研究することに興味のある方にとっては、やりがいのある研究テーマが盛りだくさんです。自分を成長させたい気持ちが強い方にとっては良い環境といえます。

研究室での1日、1週間、1年

 
 

研究室で身につく実験手技

 遺伝子の間のネットワークやタンパク質の相互作用の制御の理解を医療や創薬、細胞工学といったことに応用するためには、翻訳後修飾制御の理解と分子と細胞操作に関する技術をさらに深化させることが重要です。 斉藤研究室では、DNAやRNA、タンパク質の取り扱いと解析技術、大腸菌、酵母、動物培養細胞の取り扱いに関する技術の原理と手技を学ぶことができます。また、動物細胞におけるタンパク質や遺伝子の回路についても解析や先端的な研究成果を学ぶことができます。斉藤研究室では1人に1テーマが与えられますので、自らの研究テーマをきちんとこなしていくうちに分子細胞生物学の実験を計画し実行し、考察、応用する能力が身につきます。


Journal Club (JC)とSUMO Club (SC)


 ■Journal Club (JC) (月曜日9:30am-11:30am )
 ■SUMO Club  (SC) (第3木曜1:30pm-3:30pm )

 JCとSCは専門的な英語で書かれた最新の論文を読んで、その内容について発表し、メンバー同士で議論します。ここでの活動状況は、大学院の生命科学ゼミナール(8単位)、学部4年の生物環境概論I/II(2単位)の評価に加味されます。例年、斉藤研に配属された3年生は2月から3月にかけてJCとSCのどちらかで、発表する機会が与えられます。この活動は4年生前期の概論Iの単位認定の際の、成績評価の参考になります。JCとSCでは発表だけでなく、質問者としての言動も成績評価の材料になります。最低1回は質問や意見を述べるのがルールとなってます。質問をしない場合は減点の対象になります。理由のない欠席や遅刻、居眠りも減点の対象で、遅刻2回で1回欠席、居眠りがあまりにも目につく場合は欠席とします。1セメスターに4回以上欠席した場合は、単位認定を行いません。なお、社会人学生については別基準を採用します。

C216ミーティング & 個別ミーティング

 現在は2つのグループに分かれて2週間から3週間に一回の割合で、実験の経過報告会を行っています。ミーティングが行われる部屋の名前からC216ミーティングと呼ばれています。また、これとは別に、斉藤とメンバーが個別に行う個別ミーティングも頻繁に行われています。

G-COEセミナーとバイオエレクトリクスセミナー

 毎週水曜12:00pmから開催されるセミナーでG-COEのスタッフが集まって研究成果の報告や議論を行います。本研究室からは、主にG-COEに関連する研究を行っている方、主に大学院生を中心に参加しています。 発表、ディスカッションなどすべて英語で行われています。これにより、国際感覚を磨き、融合的な発想を得ます。グローバルな活躍ができる人材育成が目的です。

研究発表

  研究室内での研究発表会に加え、卒論発表会、修士論文発表会、博士論文発表会、プロジェクトゼミナール、国内あるいは国外の学会・カンファレンスでの発表など、研究発表の場は数多くあります。当然、本番の発表会の前には練習・予行も行いますので、このような訓練や活動により、質の高いプレゼン能力が養われます。加えて、発表時における考え方の異なる研究者とのディスカッションにより、高度なコミュニケーション能力が育まれます。また、研究発表には、論文という紙媒体を通じて研究成果を世に問うやり方もあります。論文発表は口頭での発表よりも、より緻密な論理と精緻な実験結果を構築しなければなりませんので、通常、かなりの長い時間がかかる作業になります。博士課程に進む方が博士号を取得するためには、論文発表が必須です。いずれにしましても、こうした研究成果の発表活動を通じ、研究から得た新しい情報を外部に向けて発信することになります。研究成果を発表することで、他の研究者から思ってもみなかった質問や意見を受けたり、共同研究が始まったりします。研究発表を通じて、メンバーと研究室の個性や能力、実力が外からきちんと見えるようにして、外部からきちんと評価を受けることが重要です。